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2024年5月 6日 (月)

野田久順さん、質疑応答

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――YouTubeの放送を見ていてわからない方のために。そもそもCSAとはなにか? 会員になるためにはどうすればいいのか?

野田「はい。CSAとは『Computer Shogi Association』。コンピュータ将棋協会の略でございます。CSAでは会員を募集しております。公式HPの方に申し込み方法が書かれているかと思いますので、そちらの方をご覧いただければと存じます」

――PyTorchのNLLを使って、どれぐらい学習速度が速くなった? 去年に比べて評価関数はELO(レーティング)で強くなった?

野田「まず速度の向上につきましては、GPU4090を使用した場合に、CPUの方に比べて、約7、8倍ぐらいは速くなっていたかと思います。またレーティングの向上に関しましては、去年のバージョンとの比較はしていないんですが、電竜戦ハードウェア統一戦の方で有料頒布しているLi-VENGE有料版に比べて、評価関数部分のみで約45程度。そして評価関数と検索部を合わせて122程度向上しています」
います。

――本大会も相入玉が非常に多かった。本大会のルールでは320手に到達すれば引き分けで、その手数制限の中、逃げ切れるかどうかみたいな展開も多かった。このルールについて野田さん自身はどう思われているか。将棋の結論は「先手必勝」なのか「引き分け」なのかみたいな議論がある。コンピュータ将棋の最新の話としては、どういう方向に近づいているのか。

野田「あくまで個人的な意見となりますが、まず相入玉に関しまして、特にルールに関しましては、私は個人的な感想は特にございません。与えられたルールの中で最善を尽くすしかないというふうに考えております。続きまして、将棋の結論に関しましては、私個人の意見といたしましては、ルール次第なのではないかというふうに思っております(会場笑)。例えばコンピュータ将棋に関して言いますと(相入玉の際には)27点法が使われておりまして。そしてプロの棋戦ですと24点方が使われております。このルールの違いによって、もしかしたら将棋の結論、違うかもしれませんし。手数によっても違ってくるかもしれません。ルール次第じゃないかと思います」

――今回開発された中で、なにかやり残したこととか、これからやってみたいことがあれば教えてください。

野田「今回に関しては、やり残しは実は、まったくございません。やりたかったこと、特に評価関数の学習の部分につきましては、もう自分ができる全てができたんじゃないかなと思いました。ただ、やり残しではないんですが、まだまだその評価関部分が、改良の余地、残っていると思いますので、これから改良を続けていきたいと思っています」

――ELO(レーティング)を45上げるのに一番効いたのは?

野田「一番の理由は、nnue-pytorchを使ってやねうら王純正のCPU版の学習器のエミュレーションをおこなったことだと思います。例えば、やねうら王純正の学習器には、学習途中でネットワークを組んだネットワークパラメータをクリッピングする機能がついています。これを移植したところが、レーティングが少し上がったりしました。他にも量子化のタイミングですとか、あるいはスケールといったものもやねうら王の方からコピーしてきまして。そういったものがちょっとずつ積み重なって、最終的にはレーティング向上につながったと認識しております。

――用意した、学習させた棋譜はそんなに変わってない?

野田「レーティングの向上には寄与しているんですが、それが一番というわけではないという状況です」

――優勝して、そろそろDL系? それともまだCPU(NNUE系)でやり残したことがある?

野田「まだCPUでやり残したこと、といいますか、先ほどの質問の答えとかぶってしまうんですが、まだまだ改良の余地があると思いますので、そちらの方をしばらくは続けていきたいと思います」

――定跡に関してはざっくり、どのような考え?

野田「ざっくりとした質問としては『定跡勝負だな』って思ってます。定跡わるいと、いくら評価関数がよくてもダメだなって感じております。『じゃあ、定跡どうしよう?』っていうと、私にはわかりません(会場笑)。正直申し上げて、もう定跡勝負なんですけれど。そこにはちょっと、私はもう、土台に立つことすらできておらず『どうしようかな』という感じです」

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「お前、CSA会員にならねーか?」開発者・野田久順さんあいさつ

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野田久順さん「まずは本大会、本選手権がつつがなく終了したことを、関係各者の皆さまに、心より御礼申し上げます。ありがとうございます。今回『お前、CSA会員にならねーか?』という参加名にした理由は、私の大好きな漫画『お前、タヌキにならねーか?』です(会場笑)。この漫画を推したくて、そんなタイトルにいたしました。優勝できて『これで、全力で推せるな』と思ったので。すごく嬉しいです! 今回の技術的な部分に関して言えば、3年ぐらい前から研究開発を続けているnnue-pytorch(ヌエ・パイトーチ)の成功があったように思います。nnue-pytorchはStockfish(ストックフィッシュ)のチームが開発したNNUE評価関数の学習器です。こちらの方、将棋用に改造しまして、研究開発を続けてまいりました。半年ぐらい前までは、残念ながらあまりよい成果が出ていなかったのですが、半年ぐらい前から既存の学習器よりもより精度の高い評価関数を作ることができるようになり、そして最終的には大会の6日前に最高レーティングが出た評価関数を作ることができ、そちらを用いて優勝することができました。nnue-pytorchがなかったら、いまの私はいないなと思ってます(笑)。Stockfishチーム、そしてnnue-pytorch開発チームの皆さまに御御礼申し上げたいと思います。ありがとうございます。そしてnnue-pytorch以外にも『お前、CSA会員にならねーか?』の開発にはもう、多くの方々にお世話になりました。ここでお一人一人、名前を読み上げると、ちょっと、いろいろと尺の都合上問題がありますので『皆さま大変ありがとうございました』ということで、感謝の言葉に代えさせていただきたいと思います。そして皆さま、本日は、1日1日というか、3日間ですね、どうもありがとうございました」

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